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2007年10月10日

■ ベスちゃん奮闘記!子供の熱にあわてないで!

初めまして

ジネコで「子育て」に関するコラムを担当します
小児科医師の「ベスちゃん」です。

『ベスちゃん奮闘』記と題して
毎日のちょっとしたことの中で、小児科医としての知識が役立ったものをまとめてみます。

私は現在
2歳7か月、0歳9か月の男の子のママとして格闘中。
キーを叩く音で寝てくれたこども達が起きないか冷や冷やしながらお送りします。

どうぞ宜しくお願いします。


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先日2歳の長男が熱を出したときのことです。


朝は元気よく一時保育に行ってきました。
昼過ぎから熱が上がったとのことで
「お迎えをお願いします。」との電話がかかってきました。

迎えに行ってみると、
やや元気のない長男が頭と首筋に「冷えピタ」を張られて出てきました。


帰宅後、息子を涼しくした部屋に寝かせ、
眠ってしまった後でアイスノン(アンパンマンのタオルでくるんでみました)を枕にしました。

熱がある時は眠りが浅く、何度も起きるので、
起きた時に氷枕を嫌がらないようにアンパンマンの力を借りました。

起きる度に水分を少量ずつ欲しいだけ取らせました。
(ポカリスエットなどもよいですが、やや甘すぎるため嫌がることもあるでしょう。)

起きて比較的元気になったところでぬるめのシャワーを浴びせました。


熱を下げるといえば「解熱剤」ですね。
実際診療していると、
「子供に熱があるので解熱剤をください」とよく患者さんのお母さんから言われます。

・ところで本当に解熱剤は必要なのでしょうか?
・そもそもどうして発熱するんでしょうか?
が分かれば自ずと答えは出ますね。


熱は体が風邪の原因となるウイルスや細菌と闘う免疫反応として出てきます。
特にその免疫反応が活発になるのは38℃から40℃と言われています。
つまり、解熱剤により体温を下げると免疫反応もくすぶってしまいますね。
結果として治りが悪くなることもあるため、
近年では積極的に解熱剤を処方しない傾向にあります。

では、その戦いを薬で鎮める必要があるのでしょうか?
熱が高いことによって、ぐったりして疲労(つまり、熱で水分も嫌がったり、寝られなかったりなど)が激しい子には必要かもしれませんね。

では氷枕やシャワーなどで冷やすのも良くないのでしょうか?
これは体を巡る血液を体の外から物理的に冷やしているので、体
が自ら体温を下げているわけではないのがわかりますね。
ひんやりして気持ちがよいのと体温を下げるサポートがされるので一石二鳥ですね。


知っておいていただきたいのは、
子供の体温は大人に比べて高めであり(通常37.5度以上を発熱としますが、子供は割と簡単に37度台後半まで熱が上がってしまうものです)、39、40度の高熱を出していても、水分摂取に影響がなければ焦って下げる必要はないのです。

大切なのは熱の高さではなく、子供の状況(眠れるか、水分とれるか、遊べるか、等)です。
その状況によって重症度が決まってくるので、夜間医療機関にかかる時も、
以上のことができそうなら様子見でよいし。
逆に熱が高くないのに以上のことができそうにないなら受診したほうが良いと思います。


いろいろ思いつくまま書いてみましたが、みなさんの育児が少し気楽になれば、と願う次第です。


育児は知恵比べです。

「どうやってカラダを冷やしたらよいでしょう?」と聞かれますが、方法はまちまちです。

答えがないというのは無責任な答えで、答えは子供が持っています。

同じ兄弟でも対応の仕方は異なるので、その子その子に合ったやりかたを考えてみましょう。
「眠った後」というのは最も効果的ですよね。だって、何もできないですから。。。

◎「ぬるめのシャワー」◎
ぬるめのお風呂やシャワーで体を洗い流すことで、高熱時に体温を下げる方法です。
欧米では、スポンジバスと言っておちびちゃんには水を含ませたスポンジで体を洗い、大きくなったらぬるめのシャワーを浴びることで熱を奪って体温を下げさせます。同時にさっぱりして気持ちがよいので一石二鳥ですね。
通常のお風呂の温度ですと代謝が活発になり、体力を消耗してしまいますので高熱の子を無理にお風呂に入れる必要はありません。


◎「冷えピタ」とは◎
市販されているゲル状のものが付いている冷シップのようなものです。ひんやりして気持ちいいのですが、効果としてはイマイチなので小児科医は勧めるところは少ないです。
(乳児に使用してそれが口までずれてしまい窒息してしまったという事故があったのをご存知の方もいらっしゃるかと思います)。


◎どこを冷やせばいいの?◎
体を巡る血液を冷やせばいいのですが、具体的にはどこでしょうか。体の表面に近い太い血管を冷やせばよいわけです。つまり、首、脇、足の付け根ですね。
おでこは気持ちよいですが、あまり効果は期待できません。


◎水分補給は?◎
水分補給はとっても大事。でも水が良いのか?ポカリスエットのようなものがよいのか?悩みますね。
欲しいものはなんでも良いです。少量ずつ、こまめにあげることがポイントですね。
ただ、比較的甘く口の中に残るものは結果として嫌がることが多いようです。


◎全身状態は?◎
この判断が難しいですよね。とにもかくにも普段の様子と比較すること。目のきらきら、動き、反応、眠り方、食事よりも水分の摂取の仕方、おしっこの出方などをよく観察しましょう。
ジネコでは、これを判断するのをお手伝いするツールを近日中にご提供するみたいです。

2007年07月31日

■ 小児科ジネコ

8月1日より『小児科ジネコ』がスタートいたします。

■ ワクチンは誰のため?

こんにちは、いっちゃんです。


つい先日都内の大学生中心に麻疹(はしか)が流行する騒ぎがありました。

「はしかなんて昔の病気じゃなかったの?」
「何でこんなに大騒ぎになるの?」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。


麻疹の人なんて、ここ最近はそうそうお目にかからない病気でしたからね。
しかし麻疹は未だに日本に存在しているのです。


そしてその理由こそ日本の予防接種の問題点なのです。


◎日本で接種すべき予防接種って何があるか挙げられますか?
◎ワクチンを自分は接種したかどうか覚えていますか?
◎ワクチンをうたずに病気になってしまった場合、どの病気にかかったか覚えているでしょうか?

 この問いかけに即座に答えられる人はおそらく小児領域に関わる医療従事者か、そうとうな予防接種マニアかもしれません(失礼)。


そもそも小児科以外の医者も予防接種をどう受けたらいいか知りません(笑)。
実際他科の医師から
「こどもの予防接種について聞きたいんだけど」
「三種混合ってなんだっけ?こくし(医師国家試験の略)で覚えたよなあ」
と聞かれる事はしばしばです。


つまり仕組み・制度が分かりにくいのです。


海外の先進国の人々はいちいち覚えているのか?
答えはYesです。

なぜならワクチンをうつ年齢を予め設定してしまい、
接種しなければ学校に入学できないようにしてしまっているからです。
そうすれば日本のようにうっている人、いない人を区分するのも容易なことです。
うたなくても学校のような集団生活を行う事ができる、
いつうてばいいか明確に分かりにくいことが日本の予防接種のひとつの問題点です。
 

また、海外では(一部違う地域もありますが)同じ日に2種類以上のワクチンをうつ事なんてザラです。
体温も測らず、予診表(接種前の質問用紙)すらない場合もあります。
何本もうつのが大変なため、麻疹・風疹・おたふくは1本に(MMRといいます)しています。
日本では90年頃に存在しましたが、死亡例などあり(因果関係は不明)中止されました。

体温を測定し37.5度以上は接種しない
カゼをひいていたら接種しない
けいれんを起こしていたので接種しない
原則1日1種類1本
と日本の方式でやっていると、病気がちなお子さんだったら接種する機会を失い、
あっという間に小学校入学です。

副作用をとるか、ワクチンの効果をとるかです。


日本ではMMR中止に代表されるように、副作用に重点がおかれ、
その為ワクチン接種率が低い状態になってしまいました。 
しかし予防接種の原則としては、個々の発症予防ももちろんですが、
今回のような集団感染の予防(みんなで接種をすることで流行を防ぐ)という考え方なのです。


今回の件、
「うちの子はならなかったから接種しなくていいや」
なんて言っていると数十年後に、成人したお子さんや、お孫さんに
「あの時きちんとうってくれていれば」
と恨み節を聞かされかねませんよ。


明日はわが身、急いで受付しにいきましょうね。

■ プールに入らなくてもプール熱?

初めまして
某病院小児科勤務の医師、いっちゃんです。

ジネコで「小児科」に関するコラムを担当します。
子供の病気や発達・生活から豆知識まで。

私の知識をフル稼働させておおくりします。

どうぞ宜しくお願いします。


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夏場に流行る、プールの時期に多いので「プール熱」と言われています。

実際夏に多いのですが、今のような亜熱帯気候のせいなのか(10年後にはさらに熱帯化するとか…想像したくないですね)、ここ最近は年がら年中流行している感じがします。

プールの水が汚染されて感染することももちろんですが、それ以外でもタオルを一緒に使用したりすることで感染してしまいます。
結膜も感染ルートのひとつですから、プールの後目を洗うことはプール熱の感染拡大を抑えてくれます。
胃腸炎をきたすタイプでは糞(ふん)口(こう)感染(かんせん)(便に出たウイルスが口から入ること)もあるので、乳幼児のアデノウイルスによる下痢の場合、介助者はおむつ交換後に手洗いすることが大切です。

入院しているお子さんを診ていると、だんだんと付きそいの親御さんが胃腸炎になることにしばしば遭遇します。たかがおむつ、されどおむつですね。

潜伏期は数日から10日前後。発熱期間も5-7日と続く事もあり、夏場に病人であるお子さんも、面倒をみる親御さんも、そして説明に追われる我々小児科医も困らせられる疾患のひとつです。


◎特徴的な症状はあるのでしょうか?◎

ひとつめのポイントは発熱が高熱である事。
39-40度の発熱がでてしまいます。これが細菌感染だとあっという間に重症化してしまうのですが、プール熱はアデノウイルスというウイルスによる感染の為、高熱でも重症化することは少ないです。
だから熱が高くても、おもちゃを兄弟と取り合ったりとか、すやすや寝る事ができたり、食事も少し量は減りますが、食べる事ができます。
そうしたことができないようなら入院治療の必要もありますから、医療機関を受診された方がいいでしょう。

ふたつめの特徴として、咽頭(のど)と目の結膜がやられる事が多いので、日本では「咽頭結膜熱」とも言われています。
しかし実際にのどの痛みが強いかというと、のどが赤くなっている割に、痛みの訴えは強くありません。

みっつめですが、アデノウイルスはまた、胃腸炎のウイルスとしても有名です。
昨年冬にニュースで大きく伝えられた「ノロウイルス」と乳児冬期下痢症と言われる「ロタウイルス」とともに、
だんご三兄弟ならぬ(つい最近のことなのに妙に懐かしいですねえ、だんご三兄弟)「胃腸炎ウイルス三兄弟」です。
また淡い発疹を伴う事もあります。突発性発疹の淡いピンクの発疹に似ているかもしれません。


◎治療方法はあるのでしょうか?◎
ウイルス感染の為抗生剤は効くはずもありません。
抗生剤が強い薬でかぜ薬(去痰剤など)は弱い薬と考えている方がたまにいらっしゃいますが、抗生剤は強い薬でも何でもなく、細菌を殺す薬です。
つまりプール熱のアデノウイルスや、タミフルで問題にもなったインフルエンザウイルスなどには効果がないのです。水分摂取を心がけ、よく睡眠をとることが必要です。


余談ですが、白血球やCRPという炎症の値も高く上がる事があり、細菌感染と間違えられやすいことと、結膜炎や咽頭炎、発疹があることから川崎病(強い血管の炎症による病気で、心臓の栄養血管である冠動脈に炎症をきたすと、若くして狭心症・心筋梗塞になることもあります)と間違えられやすいです。

主治医の先生のお話をよく聞いていただいて、ご相談してください。

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